Toward Reopening

 

 「仙台・羅須地人協会」再開に向けて―ご挨拶

2024年5月吉日
代表:半田 正樹

 

 まぶしいほどの新緑に季節の生まじめを感じさせられます。みなさまにはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
 さて「仙台・羅須地人協会」は、大内秀明代表が体調を崩されたのを機に、代表の回復を祈りつつ、代表の明朗闊達なご発声による再開を期して、昨年の10月に休会に入りました。
 しかし、年が明けて間もなく、わたしたちの心いっぱいの願いもかなわず、大内代表は彼岸の地へと旅立たれてしまわれました。わたしたちは寄る辺をうしない、柱なき建て物に取り残されたかのような状態になってしまいました。大内代表ご自身も、「終活三部作」のうち最後の著作の刊行をめざされておいでだっただけに、その上梓が叶わなかった無念はいかばかりかと想像されます。
 わたしたちは、大内代表のその無念に思いをめぐらし、その内容をしかとつかみながら、代表が礎を築かれた「仙台・羅須地人協会」の再開をはかりたいと思います。

 宮澤賢治が20世紀の20年代に設立・運営した「農民学校」である「羅須地人協会」の基本精神に立ちながら、「仙台・羅須地人協会」が歩み出したのは、「3.11」複合厄災に遭遇してからちょうど二年が経過した2013年3月でした。それは、被災状況からの立ち直りがようやく見えてきた時期でもありました。
 「仙台・羅須地人協会」設立の背景には、わたしたちが大自然のもつ凄烈でかつ畏怖すべき威力をあらためて認識させられたこと、まるで自然を征服・支配できるかのようにふるまってきた近現代における人類の所業にたいする自然の凄まじい憤怒を感じ取ったことがあります。いわば合理性をことさらに主張する近代科学技術が生み出したまことに不合理な事態を目の当たりにしたという思いがありました。
 わたしたちは、あらためて"自然が許す人間社会の営みとは"の問いをひきうけ、あるべき人間社会の形を考えぬくことを決意しました。そして、その創造的営為のバックボーンに大内秀明代表が研究を掘り下げておられたW.モリスと宮澤賢治の精神をおくことを選びました。
 発足した「仙台・羅須地人協会」は、「3.11」複合厄災の「復興協同センター」としての役割も念頭におきながら活動を続けましたが、あるやむをえない事情から2018年10月に自主運営の事務所の閉鎖を余儀なくされました(注)。したがって、2013年3月から2018年10月までの5年半の期間が「仙台・羅須地人協会」第1期にあたることになります。その後、新たな活動拠点を模索し、最終的には仙台で最古のNPO法人「シニアネット仙台」の1サークルとして再出発することを決めました。2023年10月の休会まで続いた、この5年間が「仙台・羅須地人協会」第2期とよぶべき期間に相当します。
 そうした経緯からすれば、今回(2024年5月)の再開は「仙台・羅須地人協会」第3期のスタートとなります。
 この第3期においても、「近代工業化文明としての科学技術から技能芸術(Arts & Crafts)への脱皮と発展をはかったW.モリス」と「東北、その土壌にコミュニタリアンとして生きた宮澤賢治」の精神を継承することをめざす活動を展開して参ります。
 具体的には、外部講師を中心とする「連続文化講座」(農民芸術・文学・音楽・美術・演劇、哲学etc.)と「セミナー」(大内秀明経済学の解読)を二つの柱として(ただし、2年を一区切りとしつつ)運営していく予定です。
 この「基本的な志と形」に同意される方々の参加をこころからお待ちしております。

 

(注)「3.11」後の復旧・復興の実行・実現を通して「東北」での事業拡大をめざした「連帯ユニオン関西生コン支部(関生)」が設立したのが「復興協同センター・仙台」であり、そのオピニオン的機能を担ったのが「仙台・羅須地人協会」でした。しかし、「関生」の真に根源的な諸活動が、2018年半ばから為政者による不当弾圧によって封じられるようになって、それに伴って仙台での活動の停止も余儀なくされ、その結果「仙台・羅須地人協会」の活動の場を閉じざるをえなくなったという経緯がありました。

Notice of Schedule

連続文化講座
 ・第1回「農に生きるー無農薬・無化学肥料の米づくり40年」
      講師:小関俊夫氏(農民詩人)、2024年7月6日(土)13:30~15:30

         資料を掲載します。
     ポスター  クリックすると、大きな画像に。

セミナー
 ・第1回「大内経済学の概要」
      担当:半田正樹氏(本会員)、2024年7月18日(木)13:30~15:30

 ・なお、会場は、いずれも「シニアネット仙台」の会議室です。
 ・ここをクリックすると地図が示されます。

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